キャンディー県、デルトタの山奥にあるバウラーナという村へ行って来ました。
向こうに見える集落がバウラーナ。
この村には、The Line House(ザ・ラインハウス) があります。
以下、うかがった話です。
スリランカの山間部には、紅茶産業を長年支えて来た人々が住む長屋がたくさん存在。しかしながら、地域によっては衰退が進んでいるとのこと。
その対策の一環として立ち上がったThe Line Houseプロジェクト。
これにより、130年の歴史を持つ長屋の一部が改修され宿泊施設となり、地域の貴重な現金収入の一部となって行こうとしています。
このプロジェクトの建築の部分を担われた大庭さんは、何度もカラピンチャに来てくれて、お話を聞かせてくれました。
また現在、カラピンチャでアルバイトをしてくれている学生の木下君は、建設時に一ヶ月住み込みで、お手伝いをしていました。
そして、今回、コロンボにて、このプロジェクトの中心人物である石川さんにお会いして、このThe Line Houseにやっと来ることができました。
まずは、バウラーナの村にある長屋の風景。
決して裕福ではないですが、ゆっくりとした時間が流れ、ご近所や親戚が密に繋がる田舎の暮らしがあります。
そして、その長屋のひとつの片端を改修したThe Line House
すっきりかっこいい。
長屋の骨組みとなっているイギリスの鉄骨はそのまま。分厚い壁や玄関先のベランダスペースなどスリランカの長屋ならでは建築様式。
一番カッコイイのは、中央を抜ける廊下の部分。
昼版
夜版
高い天上に、表面が錆び付いた太い鉄骨。壁は大きな石を積み上げ、床は伝統的な様式の乾燥させた牛糞を敷き詰めたもの。
すごく気持ちいい空間です。
<The Line Houseの詳細>
http://apcas.jpn.org/linehouse/details/
そして、
この長屋の宿泊施設以外の部分には、地元の人がそのまま住んでいます。みなさんタミルの人々。
僕達を快く家に迎え入れてくれたり、ご飯を用意してくれたり、一緒にヒンドゥーの寺院に行ったり。
ちょうど僕達が訪れた日は金曜日。
毎週村の人がこの寺院に集まりそこで「ポンガル」という料理を作り、神様に授ける儀式がある日でした。
寺院の外観。
ポンガル作りとお供え物の準備。
その儀式の様子は、とても神聖な雰囲気だったので撮影は控えました。
終了後の外観写真だけ。
ヒンドゥー教を含むタミルのカルチャーは、まだまだ勉強不足ですが、
大小たくさんの鐘が鳴り響き、お香を炊いて、ポンガルを供えるという高揚感あふれる刺激的な儀式でした。
そして、
翌日は、地元の人々が耕す畑へ。
こちらは、コロンボの石川さんの有機栽培野菜の店「Kenko 1st.」と提携し、野菜の有機栽培を行っています。
その野菜の出荷業務などを管理するカスン君と一緒に、5件の農家を見学させてもらいました。
写真奥がカスン君。手前が農家さん。
アラ(ジャガイモ)の畑。
ゴーワ(キャベツ)
ラトゥルーヌ(小さい玉ねぎ)。
ボーンチ(三度豆)。
突然の雨。農家さんの家で雨宿り中に頂いたコッタマッリポルパラとキトゥル・ハクル。
(コリアンダーシードを煎じたお茶とキトゥル椰子の粗糖)
リークス(ネギ)とかかし。
チャウチャウ(ハヤトウリ)。
ストロベリー(いちご)。
ラトゥアラ(ビーツ)。
松脂を採っている松林もありました。インドに輸出されるそうです。
カタツムリが葉を食べたり、イノシシやヤマアラシも作物を食べるそう。
ここからは、収穫されたもの。
ラーブ(蕪)。
ゴーワ(キャベツ)。
左から、ワッタッカー(カボチャ)、でかっ。サラーダコラ(レタスのような葉野菜)。リークス(ネギ)。
コッタマッリコラ(香草/パクチーの葉)。
日本でも最近はとてもポピュラーとなりましたが、スリランカでは種こそスパイスとして必要不可欠ですが、この葉の部分は食卓に並ぶことは珍しいです。
僕もスリランカでこれを食べたことがありませんでした。
ちょっとかじらしてもらいましたが、しっかりパクチー。
その他、色々。
毎週2回。各農家さんから集まった野菜達がコロンボへと運ばれていきます。
僕が大好きなスリランカのライス&カリー。
根幹は担うのは、お米。ココナッツ、そして野菜だと考えています。
(もちろん肉や魚もめっちゃ美味しいです。)
おかげさまで料理体験は何度もさせてもらっていますが、その材料となる野菜の栽培を目にするのは初めて。しかも手間隙かかった栽培を見学できて嬉しいです。
スリランカでも農薬に問題が大きくなっているそうですが、このような皆さんの努力が報われますように。
他、
滞在中は基本的にはゆっくりすごしました。
人懐っこい田舎の子供達。
そして、食事。
滞在中。横の家の奥さんがいつも美味しい料理を作ってくれます。
もちろんタミル・スタイル。
といっても、このあたりの内陸エリア野場合は、厳格なタミル料理というわけでもありません。長い歴史の中でシンハラの要素も混ざりあった野菜中心の家庭料理です。
いい感じの直床釜戸スタイル。
並ぶのは、土の鍋ではなく、金属のもの。
タミルの食卓のお米はナードゥというやや粒が大きいものがポピュラー。
品良く少量のターメリックと。
これは、思いっきりタミルの朝ご飯。
イドゥリとココナッツチャトニ。
ソヤミート(大豆肉)のカレー他。玉子は裏で飼ってる地鶏が今朝生んだもの。
こちらはいまやスリランカ全土で民族を超え食べ愛されているインディアーッパ。
でも手前の「ポルサンボーラ(シンハラ語)=ココナッツの和え物」の作り方はけっこう以外で面白かったです。
ロティとカボチャのカレー。
良く食べて来たものと比べるとココナッツがとても少なくて、おかずと合わせやすい。
手前のナスのん。しっかり油ですが美味しかった!
そして、おやつ。上のは名前なそ聞けてません。下のパンケーク。
毎日毎食、本当に美味しい料理をたくさんいただきました!
シンハラ料理との共通項もありますが、スパイスや油の使い方など、興味深い点も多々。
スリランカにいるタミルの人が作る料理。それもやっぱりスリランカ料理。
少しずつ勉強して行きたいと思います。
バウラーナ。The Line House.
3日弱の滞在でしたが、ゆっくりと流れる時間と、山間のタミルの文化と生活を肌身で体感できました。
アクセスもキャンディーからバスとスリーウィルを乗り継いで、約2時間弱。
それほど大変でもありません。
そこにあるものを大切にした結果、とてもユニークな場所。
興味がある方は、足を運んでみて下さい!
The Line Houseの詳細
http://apcas.jpn.org/linehouse/details/
<おまけ>