キャーガッラ。再び。

2月7日(火)16日間滞在したマータラを後にし、もともとの料理修行の場所「ティッサ食堂」があるキャーガッラ市バッラパーナへむけて移動です。
マータラでの最終日は僕のステイ先のジャヤさんの誕生日。

みんなで料理&お菓子を作り。

祝い事の定番、キリバット(写真左/ココナッツミルクを入れて炊いたご飯)。

家庭で作るロールス。ジャガイモやタマネギを炒めた具が中に入ってて、生地で巻いて、揚げたもの。お店のものと家庭で作るのでは方法が少し異なります。

カレーいろいろ。
左上から、ご飯、スドゥルーヌカルポル(ニンニクのカレー)、コヒラサンボーラ。
左下からククルマス(チキン)、アラテルダーラ(じゃがいも炒め)、そんで小さい緑のはカラピンチャサンボーラ。
定番から珍しいのまで色々作れて僕もハッピー。


娘のセヌディーからケーキを食べさせてもらうジャヤさん。

本当にお世話になりました。
マータラでは、海の幸を中心に、南部特有の料理やスパイスの使い方をしっかり勉強させてもらいました。
また帰国の直前に立ち寄ります。どうぞよろしく。

 

その後、移動の途中、最大の都市コロンボに一日滞在し、過去に知り合ったスリランカの友達に会う予定。


大きな地図で見る

でしたが、風邪を引いて、熱出して、コロンボの安宿のベッドで一日寝込んでしまい友達に会えず。。。

翌朝、鼻ジュルジュル頭ボーっで、なんとかキャーガッラのステイ先に帰宅。
ターッタ(お父さん)とアンマー(お母さん)が、アーユルヴェーダ式の風邪薬を作ってくれました。感謝。

写真いろいろな草や枝や種などにスドゥルーヌ(ニンニク)とデヒコラ(ライムの葉)を水で沸騰するまで湯がきます。
こんな感じ↓
?その蒸気を布を被って「吸い込み」→「息吐いて」→「吸い込み」→「息吐いて」を繰り返します。分かりにくい写真ですが、その様子↓

スーハースーハースーハースーハー。
鼻の奥までスッキリ。
最後はその汁に砂糖を少し入れてグビっと飲むと→いい感じ。
※アーユルヴェーダとは、インドやスリランカの伝統医療(?/僕もきっちり理解できていませんが、自然のものを重視。ナイス!)

 

そして、再び、料理修行の場「ティッサ食堂」へ。
ティッサさんはじめ、みんなが、しばらく離れていた僕を暖かく迎えてくれました。
マータラの家庭でじっくりひとつひとつの料理を作っていくのも楽しいけれど、食堂の厨房で時間や作る量を考慮しながら、忙しなく働くのはそれはそれで心地良い。
さぁ、再び厨房で頑張ります!

帰ってきましたティッサ食堂。ニュースがひとつ。
カレーを担当するシェフが1人増えて3人になってる。
新たに加入したダルマセーナさん↓

シャイであんまり喋ってくれないけど、優しいナイスガイ。

このダルマセーナさん。いきなりガンガン作ってく。
先輩のパーライヤー(チーフ)やガーミニーも彼にガンガン作らせる。

しかも、かなり異なる手順で作っていく。

ダルマセーナさんによるククルマス(チキン)カレー

ダルマセーナさんによるワンバトゥモージュ(ナスのカレー)

ダルマセーナさんによるアルケセル(バナナ)のカレー

僕にとっても斬新でオモシロイ。そんでまたラサイ!(美味しい!)
先輩2人も「これ美味しいなぁ。へぇー。そーやって作るんやぁ。」といった調子。

「え?店の味って簡単に変えてもいいの?」という疑問はどこ吹く風。
そもそも、先輩2人の味&調理法も違う。

どうやら、店の味よりシェフの味を尊重(?)。
それぞれのシェフがそれぞれのシェフの味を尊重しつつ、自らの味を磨く。
お客さんも日によって、料理、味、材料が代わることは、それはそれで楽しんでいるよう。(推測ですが)
まだまだこの地でたくさん学ぶことがありそうです。

僕の味?
どんな味?

クッシヤ(台所)はアンマー(お母さん)達の場所。

マータラに来て15日間。
カレー作りの場は厨房ではなく家のクッシヤ(台所)。
そこは家のアンマー(お母さん)の場所です。

ここマータラで僕をステイさせてくれているジャヤさんは10人兄弟姉妹。奥さんのクムドゥさんは4人兄弟姉妹。どちらも地元の人で近所にはたくさんの親戚が住んでいます。
あっちこっちの家に行ったり、色んな人がここの家に来たり。
クムドゥさんをはじめ、 たくさんのアンマー達からスリランカカレーを教わっています。そんなアンマー達の皆様を紹介します。

クムドゥさん(ジャヤさんの奥さん)


シリアワティさん(ジャヤさんの一番上のお姉さん)


プスパさん(ジャヤさんの2番目お姉さん)


バッティさん(ジャヤさんの3番目のお姉さん)


ワイレットさん(クムドゥさんのお母さん)


ナンダニーさん(ジャヤさんの長男の奥さん)


ナディッカーさん(ナンダニーさんの長女)

ナーリカーさん(ナンダニーさんの次女・バーラタの奥さん)


(クムドゥさんの伯母さん)


近所の友達

個性豊かなアンマー達。カレー作りの個性も豊か。
それぞれ自慢のライス&カレーを丁寧に教えてくれますが、調理方法やスパイスの使い方に違いがあって面白い。
また皆に共通するスリランカ南部独特(なのか?)のスパイスの使い方があったり。

スリランカのライス&カリーの基本は家庭のクッシヤ(台所)にあり。
レストランやホテルで出てくるものも家庭で生まれたものがベースにあると思います。

そのクッシヤ。主役はこの薪を使った「リパ」(釜戸)。

薪で火加減で調整し、じっくり美味しいカレーを仕上げていきます。
マータラでは、写真のような1カ所の火で2つの鍋を加熱するツイン型のリパを良く目にします。
どこに家にも「ダラ」(薪)がいっぱい↓↓↓そして、カレーを煮込む鍋は「マッティワラン」(土の鍋)

スリランカ南端の街マータラのクッシヤ(台所)で、色んなアンマー達と一緒に作ったライス&カレーの一部を”盛りつけ写真”で紹介します。
写真左はコスアタ・カルポル(ジャックフルーツの種のカレー)。ホクッと美味しい。右はキリコス(ジャックフールの実をココナッツミルクで)!真ん中は魚。
※「コス」=「ジャックフルーツ」、「アタ」=「種」、「キリ」=「ココナッツミルク」。


手前左のはバタラ(サツマイモのよう)!その上はクーニッソー(桜エビのよう)を揚げたもの。右から2番目はカラウィラ(ゴーヤ)!日本対応です。


真ん中のは米粉とココナッツでできたピットゥ。崩しながらカレーと混ぜて頂きます。


真ん中上のはアンナーシ(パイナップル)!甘+辛+酸。

大好物のワッタカー(カボチャ)の登場です!
カンクン(空心菜)、カラワラ(干魚)、ソヤミートもホンダイ!(Good!)

この他にも色んな料理をじっくり学べて&作って、充実の日々。

スリランカのカレーについて、つくづく感じること。
それは「素材を活かす」ということ。
数あるスパイスやポルキリ(ココナッツミルク)等はあくまで「脇役」。
というかメインの素材にアプローチするための「手段」。
その手段は無数で自由。
目の前の素材に思い切って、自由に対決→素材を活かす!オモシロイ。

未来のお店カラピンチャ。これだけ自由にたくさんにカレーを提供できるかは、ニーズやキャパシティーを考えると難しいところ・・・。

でも、ガンガン学ぼう。進んでこう。
マータラのアンマー達。ほんとうにありがとございます。
2月7日にはマータラとはお別れし、たくさん課題を残して来たキャーガッラへ戻る予定です。

インディアーッパ!すごく美味しい。でも。

スリランカ朝食の定番のひとつ「インディアーッパ!」。

米粉を捏ねて→麺状に絞り出して→蒸したもので、
汁気のあるカレーと食べると美味しい。


今いるマータラの家のすぐ近所には、インディアーッパのオバチャンがいます。
前にクルンドゥのオッチャンを紹介しましたが、その奥さんのチャンダさんです。

毎朝4時から自宅で大量のインディアーッパを作り、この街の食堂や売店に販売しています。毎日1000個以上作ります。(上の写真で13個分。)

?スリランカ南部では赤いお米(ラトゥ・キャクルハール)を使った赤いインディアーッパがポピュラー↓↓↓
※ラトゥ・キャクルハールのインディーアーッパ150個。
そんで、
スリランカに来てすっかり早起き癖の着いた僕は、港に行かない日はインディアーパのオバチャンの手伝いに行きます。
簡単にインディアーッパ作りのフローを。
まずお米を機械で粉砕し、米粉にしていきます。
それから、より細かい粉するためにワンゲディ(木臼)&モールガハ(木の棒)で、丁寧に潰していきます。
そして、それをふるいにかけて、粉が完成。(完成した粉も売ってます。)

そこにお湯で溶いた岩塩を入れ、熱湯をすこしづつ加えながらコネコネ。


程よい堅さになったら、インディアーッパワンゲディヤ(専用の絞る道具)で、インディアーッパ ワッティ(格子状の受け皿)にムニューと絞り出します。
下の写真右側の筒の中でしっかり蒸していきます。
インディアーッパ蒸し上がり!
さぁ食べよー。
キリホディ(写真左)といいうココナッツミルクのシンプルで優しい汁気のあるカレーが&ポルサンボーラ(写真右)が良く合います。
真ん中お皿右隅の黄色いのは「ポルマッルン」。シャキッと辛いポルサンボーラとは異なり、フワッと美味。(※ポル=ココナッツ)

インディアーッパのオバチャン。いつもありがとうございます。

 

「インディアーッパ」。
お米大好き日本人にも、間違いなくフィットするはず!

なんだけど、
手でコネコネしながら食べるからこそ、ホディ(汁)と絡んでその美味しさが引き立ちます。

インディアーッパが日本で愛されるための壁。
手食。

んー悩ましい。
それでもみんなに食べてほしい。

 

<追記リンク>
インディアーッパ を作るための器具「インディアーッパ ワンゲディヤ」「インディアーッパ ワッティ」、またインディアーッパ の生地の素「インディアーッパ 粉」を発売。作り方動画あり。(当ブログ別ページ)

ダッロー(イカ)おったー!

スリランカ海の幸。
今日も港へ。
先日いった大きなデウンダラ港とは別のガンダラ港へ。
ここは、小さめの魚が豊富に揃います。

今日のの狙いは「ダッロー」=「イカ」
ダッロー(イカ)美味しい。カレーもイケる。苦手な人もスリランカのカレーならアリかも。

ダッローを探して市場をまわると日本にもありそうな魚が色々。
ピアーサレヨ(トビウオ)↓

ガルマール(メバルっぽい)↓
ディーラーワ(サンマじゃなくてカマスかな?)↓

楽しー。

けど肝心のダッロー(イカ)がいません。
「ダッローナッダ?」(イカないの?)と聞くと
「イワライ!」(売切れ!)と切り捨てられ。
他のオッチャンに聞いても「イワライ!」。
他のオッチャンに聞いても「イワライ!」。
他のオッチャンに聞いても「イワライ!」。
あー。一足遅かったと後悔。
浜辺でどうしようか考えてたら、
漁船が一隻帰って来た。
みんなで浜辺に押し上げて、漁船を覗くと、

「ダッロー!ダッロー!ダッロー ティエナワー!」(イカ!イカ!イカおる!)

その場で交渉→1kg Rs.300(220円くらい)でガッタ。
イエイ。ラッキー。
※スリランカで多く流通しているイカは日本で多いものに比べて小ぶり。

マータラの家に戻ってダッローホディ(イカの汁気のあるカレー)作りのスタートです。
イカスミまみれになりながら、しっかり洗って、

各スパイス他と煮込んでいきます。
臭み対策はゴラカではなく、甘味&酸味のバランスが良いシアンバラで。
グツグツグツグツ→出来上がり。

ホディ(汁気のあるカレー)はやっぱりパーンで!

削っただけのだけのポル(ココナッツ)もええ仕事。

そして、
夜はやっぱり「デビル!」(トマトを使った辛口炒め)
「ダッローデビル!」を作ります。

まずは塩茹で。

野菜を炒めて。

絡めて絡めて。
キャーリミリス(チリピース)とガムミリス(胡椒)はビビらずバチッーと!

出来上がり。

ウマカラー!
このままビールとも凄くアリ。
飲めない僕はライス&カレー。

キャロットサンボーラとゴーワ(キャベツ)とパリップ(レンズ豆)のホディを合わせて幸せ。

ダッロー(イカ)。
日本の人の口に&胃袋に。素直に入ってくる海の食材。
ニヤマイ!(いい!)

クルンドゥのおっちゃん(シナモン剥きの名人)。

スリランカカレーで欠かせないスパイスのひとつ「クルンドゥ」=「セイロンシナモン」。

クスノキ科の木で、その樹皮がスパイスとして使われます。
カレーだけでなく、お菓子作りや紅茶、コーヒーに入れたりも。
スリランカ産のクルンドゥ。すごく香り高く、雑じゃない丁寧な味わい。

僕が今いるマータラのあっちこっちにも、クルンドゥワッタ(シナモン畑)があり、ジャヤさんのお父さんのクルンドゥを育てています。


ナイフでバキッと。
すごくいい香り!

それを持って帰り。
皮を剥く!と思いきや。

「クルンドゥのオッチャンとこ持ってけ!」
と言われて、近所のお家を訪問。
<クルンドゥのオッチャンことダハパーラさん。
このクルンドゥ。良く見かけるクルッと巻いたロール形状に剥くのはとても難しいんです。

まず表面の硬い皮をナイフで削ぎ落しー。
出て来た薄皮の部分をナイフの握り手の部分で丁寧に均しー。
そしてその皮をクルッと剥いていくわけですが・・・。
ムービーでどうぞ↓↓↓

ラッサナイ!(キレイ!)
これをしっかり乾燥させれば、スパイスとしてのクルンドゥが仕上がります。

僕もクルンドゥむきに挑戦中。ムズカシタノシー★

自分で剥いたクルンドゥでカレーを作る。
んで食べる。
感激な瞬間。

 

追記:
通販サイト「スパイスカラピンチャ」でスリランカ産「セイロンシナモン」の販売をしています。
18-1cこちらは、スリランカの大手スパイス会社「RUHUNU FOODS」の製品となります。