先のブログで記したように、
パブリスシェフの寄付により作られたお寺「පන්නිල පන්සල パンニラ・パンサラ」の完成式典に参加しました。
ラトゥナプラから、さらに内陸の方、急で細い道を山奥へと進んだところにあります。
世界遺産でもあるシンハラージャ森林保護区の近くです。
式典は1月25日。その前夜からお経や説法など法事が行われます。
僕達は前日の夕刻に到着。
早速、パブリスシェフがお寺を案内してくれました。
大きな岩の一部を削ってはめ込まれた本堂
元々そこにあるその大きな岩をそのまま削って作られた 「සැතපෙන පිළිමය サタペナ ピリマヤ(涅槃仏)」。
近年、石で作られた仏像は珍しく、かなり大きなサイズだとのこと。
(撮影許可をいただきました。)
サタペナ ピリマヤの足の裏。
天井は岩の原型を生かして。
大きな堂ではないですが、
迫力と清々しさを併せ持つ良い空間でした。
法事がスタート。
まずはお寺の麓に作られたパブリスシェフの別宅にて。
そして夜になり。本堂そばの特設の会場に人が集まります。
動画は、
හේවිසි කණ්ඩායම(ヘーウィシ カンダーヤマ)のシーン。
ධාතු කරඩුව(ダートゥ カラドゥワ)という仏陀の歯を祀る置物と、
පුස්කොළ පොත(プスコラ ポタ)というお経の書かれた葉の書物が、
පිරිත් මණ්ඩපය(ピリット マンダパヤ)というココナッツの柔らかい葉ගොක්කොල(ゴッコラ)で出来たお経を読むための小屋に運ばれていきます。
හාමුදුරුවෝ ハームドゥルオ(お坊さん)達もやってきて、ピリット マンダパヤに。
「පිරිත් ピリット(お経)」が朝まで続きます。
ですが、
僕達は近くにあるこちらも特設の厨房へ。
厨房の建物の前には大きなトラックが、
これは冷蔵庫。
用意された大鍋達。これはほんの一部です。
厨房の中には、マウントラビニアホテルからバスでやってきた料理人達が。
そして、
式典主催者として忙しいはずのパブリスシェフも、頻繁にやってきて指導。
僕達にもたくさんのアドバイスをくれました。
昨年の阪急百貨店でのイベントでも感じたことですが、どこまで行っても彼のフィールドは「කුස්සිය クッシヤ(厨房)」なのだと改めて。
「ගොටුකොළ ゴトゥコラ(ツボクサ)」
今回の厨房を取り仕切るガーミニーシェフ。
奥にあるのは、「කොහිල コヒラ」という根菜の一種
繊維質が強く歯応えが良く、風味もGood!
「ඉන්නල インナラ」という小さな芋の一種
綺麗に飾ったサラダ
刺さっている葉は「තෙඹු කොළ テンブ コラ」の先の部分。
こちらはハームドゥルオ(お坊さん)用、みんなの分は取分けスタイルで。
「තුඹ කරවිල トゥンバカラウィラ」という丸くて小さいゴーヤをカット。
「බිබික්කන් ビビッカン」、別名 「 පොල් කේක් ポルケーク」
ココナッツを使ったケーキ
「ඉස්සෝ イッソー(エビ)」のカレー
複雑に仕上げていくコヒラのカレー。(コヒラ投入前)
「දෙහි デヒ(スリランカのライム)」絞り。
「ඒළවළු බත් エラワル バト(野菜の混ぜご飯)」の仕上げ!
ブロッコリーは、
スープに。
マカロニは、
グラタンに。
さすがにスリランカ料理ではないですが、
マカロニは近年、家庭でも良く使われる食材です。
揚げた「කජු カジュ(カシューナッツ)」には、塩とチリパウダー。
「බිම්මල් ビンマル(きのこ)」のデビル。
「තුඹ කරවිල トゥンバカラウィラ」(小さくて丸いゴーヤ)。大好き!
驚きの小ちゃい 「අප්ප アーッパ」!!!
全ての料理にパブリスチェックが入ります。
作業は深夜に2時間ほどの全体休憩を挟んで、そのまま翌日の式典開始まで。
ハームドゥルオ達の食事会場のセッティング。
ちなみにシンハラ語でハームドゥルオがご飯を食べる行為は、
කනවා(カナワー)とは言わず、වළඳනවා(ワランダナワー)と言います。
ハームドゥルオ用のデザートプレート。
ラッサナイ!(美しい!)
・
そして、
朝9時頃に式典がスタート。
良く知りませんが、有名な政治家の方なども多数参加。
テレビや新聞のカメラがたくさん。
僕も(なぜか)日本からの来賓を代表して、
「පොල්තෙල් පහන ポルテル パハナ」に点火させてもらいました。
そして順番に本堂へと。
僕達は、
再度食事会場に戻り、最後のセッティングへ。
そして、ハームドゥルオ達が食事会場入り。
配膳
ハームドゥルオのお食事後はお布施。
フロム神戸の3人。
カラピンチャとしても、袈裟や持鉢を含むハームドゥルオ8つ道具「අටපිරිකර アタピリカラ」をお布施させていただきました。
そして、(お待ちかねの)みんなの食事タイム。
ライス&カリーはこんな感じ。
コヒラ。
ウィナーキリ(ココナッツビネガー)とゴラカで酸味を纏わすのがポイント。
ポロスボーラ(若いジャックフルーツで作った団子)
深く焙煎したトゥナパハが印象的。
イッソー(エビ)。
エビをプリプリ感を保つ工夫が。
ビンマル(きのこ)のデビル
トゥンバカラウイラ。
ココナッツミルクで仕上げ。
インナラ(小さい芋の一種)ホディ(汁)。
「කතුරුමුරුංගා カトゥルムルンガ(葉野菜の一種)マッルン。
他にもゴトゥコラサンボーラ(ツボクサの和物)やマカロニグラタン、パパダン、フライドフィッシュ、カシューナッツ、小さいアーッパなどなど。
ご飯は、
エラワルバトゥ(バスマティ使用)
カル・ヒーナティという種の伝統的な赤米
バスマティ
一昔前まではあまり流通していなかったバスマティですが、近年はスリランカでも人気です。
この他にお菓子も伝統的なもの、創作的なもの、
果物、ミーキリ(水牛のヨーグルト)などなど。
本当に豪華な内容でした。
それぞれの料理の味付けの方向性が明確で食べ進めるほどに美味しさを感じました。
ところで、
スリランカでダーナ(ヤ)を経験したことがある方は、ちょっと驚きのラインナップだと思われたのではないでしょうか?
僕の経験上、ダーナヤの時は伝統的である程度決まった料理と調理法がほとんどでした。
今回のものはその点では型破りな新しいスタイルのダーナヤでした。
先日、マウントラビニアホテルの厨房を見学した直後なだけに、
さらに刺激的で、学ぶことだらけの2日間でした。
パブリスシェフ、ガーミニーシェフ、他スタッフの皆様、
ありがとうございました!!!
帰る前にもう一度、お寺を見学。
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最後にフロムジャパンチームとパブリスシェフで。
写真右側お二人は道中で合流したスリランカ案内人「ウッチャン」チーム。
左側後ろには、シェフの娘さん。みんないい顔!
昨年の唐突なイベント来日のオファーから、ここまでパブリスシェフとの関係性を築けたことが信じられません。
熱心な信仰心、人を選ばなない大きな心、そして尽きない料理への思い、
どんどんファンになってしまいます。
本当に感謝と尊敬の気持ちでいっぱいです!