コットゥロティ。

前にロティ&ロールスを紹介しましたが、このお話には続きがあります。
ロールスの生地をカットしたときに余分な生地が出ます。

※写真左上に生地の切れっ端。

でも、ちゃーんと行き先があります。
余分なこの生地達と加えて作ったゴーダンパロティ(ロティの生地だけを焼いたもの)を纏めて、丸めて、そしてこれを包丁で細かく切り刻んでいきます。

細かい、短い、麺のような状態に。

これらを、野菜、カレーのホディ(汁)、卵、そしてカラピンチャー!他スパイスと一緒に。

熱ーい鉄板の上でコットゥピヒヤ(ピヒヤ=刃物/お好み焼き&焼きそばを焼くコテ的存在)で。

さらに、さらに細かく刻むように炒めます。
カタカタカタカタカタカタカタカタ。
リズム良く!
ティキライヤーによる華麗なコットゥ作りの動画をご覧あれ↓↓↓

Yes!「コットゥロティ」のできあがりです! ロティが本来持っているモチーっとした食感にカレーが絡んで→鉄板で焼かれることで、香ばしさ倍増!
ヤミツキー!
写真は卵2個入りの「ビッタラ・コットゥ」!
他にも鶏肉入りの「ククルマス・コットゥ」。魚入りの「マール・コットゥ」。野菜のみの「エラワルコットゥ」などのバリエーション。
またロティの代わりに、インディアーッパ(米粉の麺を固め蒸したもの)を使った「コットゥインディアーッパ」なんてのも人気。
カレーのホディ(汁)なし、ネギ多め、コッチミリス(凄い辛い小さい唐辛子)入り、などのお客さんも自由にカスタムオーダー。

この「コットゥロティ」。残りの生地を使うという理由もあって、夜だけのメニュー(他の食堂もだいたい夜だけ)。夜の営業中は、持ち帰りも含めて、たくさんの注文が舞い込み、カタカタカタカタなりっぱなし。
僕もちょくちょく作ってます!楽しー★

トゥナパハを作る。

前に紹介したように僕のステイ先の家は小さなスパイス工場「マーシャプロダクツ」。食堂の休憩時間に合わせてもらって、マヒンダとアンマー(お母さん)と一緒にトゥナパハ(カレーパウダー)を作りました。

トゥナパハはスリランカのカレー作りの中で頻繁に登場する混合スパイス。
「トゥナ」はシンハラ語で「3」。「パハ」は「5」。複数のスパイスで構成されていると言う意味?かな?(英語ではカレーパウダーと言います。)
またこの「トゥナパハ」には「アム・トゥナパハ」(「アム」=「生」)とローストされた「バダプ・トゥナパハ」(「バダプ」=「火の通った」)があります。

写真左が「アム・トゥナパハ」。右が「バダプ・トゥナパハ」。一般的に野菜のカレーには「アム・トゥナパハ」を、肉や魚のカレーには「バダプ・トゥナパハ」を使います。
今日はマーシャプロダクツの製品の中で最も手間のかかる「バダプ・トゥナパハ」(ローストカレーパウダー)作りの一部をご紹介。

単純に「アム・トゥナパハ」(生のカレーパウダー)をローストすればバダプ・トゥナパハが出来上がるわけではありません。
元となるそれぞれのスパイスをホールの状態でローストしていきます。

その前に各スパイスを天日干し。

そして
コッタマッリ(コリアンダー)をロースト

油を使わず、から煎りなのでずーっと混ぜていないといけません。たいへん。

スードゥル(クミン)、マハドゥル(フェンネル)をロースト

クルンドゥ(セイロンシナモン)、エナサール(カルダモン)、カラーブナティ(クローブの枝)をロースト

※エナサール(カルダモン)とカラーブナティ(クローブの枝)はこんなの↓↓↓

ランペ(パンダンリーフ)、そしてカラピンチャ(カレーリーフ)をロースト

ウルハール(フェネグリーク)をロースト

アバ(マスタードシード)をロースト

ウィヤリスドゥルーヌ(天日干したにんにく)をロースト
他のものも含めて、それぞれじっくりローストしていきます。
ちなみにこのトゥナパハに入れるスパイスやその配分は、スパイス職人にとってまさにノウハウ!今回は許可の範囲で写真とテキストを公開。他にも加えるものがあります。常に新しいブレンドや生産方法を試しているそうです。

そして、ローストした全てのスパイスを良ーく混ぜて、

機械で粉末にします。


※手前が粉末になる前。奥が粉末になった状態。

あとは室内で冷まして


「バダプ・トゥナパハ」の出来上がり!
ハリマ スーワンダイ!(めっちゃいい香り!)

出来上がった直後のバダプ・トゥナパハと少しの塩をお湯に溶かして味を確認。

シャキッと美味しー!感激の味。

パッケージングされたマーシャプロダクツの「バダプ・トゥナパハ」↓

そして他のスパイス達とともにマヒンダが飲食店や小売店に配達&集金に↓

魂のこもったいい製品&いい仕事です。

【追記】
カラピンチャでは、2種のトゥナパハ(ローストカレーパウダー、カレーパウダー)を販売(店舗&オンライン)しています。
記事にある家庭の工場ではなく、RUHUNU FOODSというスリランカのキャンディー市にある大きなメーカーから輸入したもので、カラピンチャ店舗でも使用しているものです。
詳細は以下アドレスからご確認いただけます。

◎ローストカレーパウダー(バダプ・トゥナパハ)
spice-karapincha.jp/?pid=94659983

◎カレーパウダー(アム・トゥナパハ)
spice-karapincha.jp/?pid=94659783

◎スパイスカラピンチャ(オンラインサイト)トップページ
spice-karapincha.jp
スリランカスパイス カラピンチャ

 

是非、ご家庭でもスリランカカレー作りにトライしてみて下さい!

動物に優しいスリランカはヨコミミ犬だらけ。

スリランカは生き物に優しい国だと思います。

※象通行注意の道路標識

スリランカの宗教といえば仏教が70%。それが関係あるのか?ないのか?
とても、優しい。

たとえば、
前にも記したようにデリバリー中に、野良犬に期限切れのパンをあげちゃう。

そして、僕が働く食堂でも、昨日売れ残ったのアーッパを、翌朝、屋根に投げ撒いて、カラス達にあげちゃう。

チキンの皮は使いません。食堂の裏にやってくる犬にあげちゃう。

魚の要らない部分もあげちゃう。

キッチンにまで入ってくる猫が一匹います。魚の切れっ端をあげちゃう。

みんな友達。
他にも、スリランカにいると普通に色んな動物がいます。




鰐?オオトカゲ?




水牛
あと、リスとか、ウサギとか、鳥もいっぱい。
虫もいっぱい。でも意味なく殺生しません。

そんで、
ダントツに多いのは「犬」(シンハラ語:バッラー)
野良&放し飼いの犬がどこにでもいます。
たくさんいます。
でも、その種類は横に耳が生えてる犬ばっかり。
勝手に「ヨコミミ犬」と名付けました。

かわいい「ヨコミミ犬」を数匹紹介。
①通勤途中にて
②パン工場の裏庭で

③ガソリンスタンドで

④友達の家で

⑤道端で

⑥倉庫の前で

⑦友達のガレージで

⑧近所の広場で

とくに可愛がるわけでなく、虐げるわけでなく、普通に共存しています。
めっちゃいいと思います。

スパイス業。

僕がお世話になっている家の息子、マヒンダ。
彼の仕事はスパイスの加工および販売。ブランド名は「Masha Products 」(マーシャプロダクツ)で、日本にいる兄のサナさんと2年前にスタート。日本的に品質を追求した良い製品!↓↓↓


ホール(種、葉、実、根、茎など)の状態のスパイスを買い付けて(一部は栽培)、機械で細かく粉末にしていきます。

たとえば、
「ミリスクドゥ(チリペッパー)」 ※「クドゥ」=「パウダー/粉末」
もとになる乾燥したチリペッパーを機械で粉砕。

?他にも粗挽きの「キャーリミリス(チリピース)」もあります。

そんで、「トゥナパハクドゥ(カレーパウダー)」
スリランカのカレーで頻繁に登場する混合スパイス「トゥナパハ」。
コッタマッリ(コリアンダー)、スードゥル(クミン)、マハドゥル(フェンネル)、アバ(マスタードシード)、ウルハール(フェネグリーク)、カラピンチャ、ランペ他を粉末にしていきます。入っているものや配分は、会社や家庭によって異なり。スパイス職人にとってこの成分&配分がまさにノウハウらしい。
また、「トゥナパハ」にはローストした「バダプトゥナパハ」(「バダプ」=「火の通った」)ものもあり、料理によって使い分けます。

写真左:アムトゥナパハ(生のトゥナパハ)、写真右:バダプトゥナパハ(ローストしたトゥナパハ)。
一般的には、野菜のカレーには、「アムトゥナパハ(生のトゥナパハ)」、肉、魚のカレーには「バダプトゥナパハ」を使います。
※トゥナパハの生産工程は凄く面白いので、あらためてレポートします!

他にも、「カハクドゥ(ターメリックパウダー/ウコンの粉末)」や「ガンミリスクドゥ(黒胡椒パウダー)」など色んなスパイスを加工します。

出来上がったクドゥは室内で熱を冷ます&乾燥させて、パッケージング。
↓↓↓
ミリスクドゥ(チリパウダー)冷まし中。
カハ(ターメリック)計量中。

ラベル記入は、甥っ子:アヌスカと姪っ子:セヌリーが担当。

キャーリミリス(チリピース)をパッケージング中。

完成したスパイス製品をマヒンダはスリーウィーラーでレストランや小売店に配達します。まだまだスタートしたばかりのビジネスですが徐々に得意先や注文が増えている様子。

「カラピンチャ」オープンに向けて、スパイスは大きな課題。
品質は?コストは?安定供給は可能か?そして、トゥナパハの成分&配分はどうするか?
このマーシャプロダクツとタイアップできたら、素敵なこと。
今回のスリランカ滞在期間に、スパイスに関してもしっかり学ぼうと思います★

ククルマス(チキン)のカレー。

ククルマス(チキン)のカレー。

シンハラ語の「ククラ」は日本語で「鶏」。「マス」は「肉」
なので「ククルマス」=「鶏肉」。
ククルマスのカレーはスリランカでも定番。日本でもポピュラーなので、カラピンチャにとっても外せないマストアイテム。

色んなククルマスカレーを学んで、作ってきたつもりですが、いざ自分がお客様に提供する立場にたった時、どんなククルマスカレーで行くかは悩ましいところ。

今回のスリランカ修行で、カラピンチャで提供するククルマスカレーを決定するのが大きな課題のひとつ。そのためには色んなククルマスカレーを学ぶべき。

ティッサ食堂ではカレー担当の「パーライヤー」にくっついてカレーを学んでいます。ククルマスもピカイチ★
でも今回は、いつもは食堂でロティ各種の製作を僕に丁寧に教えてくれる「ティキライヤー」を家に招いて、ククルマスのカレーを教えてもらうことに。
※「パールアイヤー」の本当の名前は「パーラ」。「ティキライヤー」の本当の名前は「ティキラ」。いずれも名前に「アイヤー」=「兄さん」を付けることで、年上の男性を慕う呼び方。「〇〇にいやん」みたいで、なんか吉本の芸人みたい。

ティキライヤー↓↓↓


そう、シェフが変われば、調理法、味、見た目も大きく変わってきます。
このティキライヤー。ティッサ食堂に来る前はコロンボの「シリマヨラフットキャビン」(知らないけど)という厨房に50名ものスタッフがいる大きなホテルで、11年間各種カレーを作るシェフを勤めた強者でした。

近所で鶏肉を丸々1匹分買って我家でククルマスレクチャーがスタート。

製作フローの一部を紹介。

ミリスクドゥ(レッドペッパー)他のスパイスをローストする作業。味をビターに。色を濃く。

カラピンチャ&ランペを含む各ホール系スパイスをココナッツオイルで一気に加熱。

ククルマス+パウダー系スパイスを投入!

ゴラカ(酸味の強い果実を乾燥させたもの。ふやかして使う)をミリスガラ(石で出来たすり潰すための道具)で潰す作業。

水分を飛ばすように煮込む煮込む。


YES!できあがり★


パリップ(レンズ豆)と一緒に頂きます!製作途中の香りですでにヤラれてましたが、食べてもやっぱり、ぎゃふん。
「ホンマに美味しい。」
深みのある辛さと旨味でどんどん食が進みます。無言で同量をオカワリ。

険しいククルマスカレー開発の道を一歩前進。
ティキライヤー。ボホーマイストゥティ(大感謝)★