とてもシンプルな。
カレーパウダー『Amu.(アム)』 (Basic / Unroasted).
発売します!
今年(2018)の4月に発売したダークローストカレーパウダー『Kalu.(カルゥ)』に引き続き、当店で製造するカレーパウダーです。
スリランカの混合スパイス「トゥナパハ」。正式には「トゥナパハ・クドゥ」(「クドゥ」は「粉」を意味。)
中でも未焙煎仕様のものは「アム・トゥナパハ」と言い、主に野菜のカレーにココナッツミルクと合わせて使われることが一般的です。
スリランカにおける「アム・トゥナパハ」のレシピは様々です。
元来、「トゥナ」=「3」、「パハ」=「5」と言う名前が示すように、「アム・トゥナパハ」に使われるスパイスの種類は限定的でした。
しかし近年では、より簡単で便利に使えるように、様々な材料が入った市販の「トゥナパハ」が増えました。
当店が輸入販売しているRUHUNU FOODSの「カレーパウダー」にも12種類の材料が使われています。
おかげで、芳醇でしっかりした香りと味わいを料理に与えることができます。
しかしながら、その分、料理全体がその風味に強く引っ張られる傾向があります。
その流れに反して、
当商品「カレーパウダー『Amu.(アム)』は、昔ながらのスタイルで、最小限のスパイス数で仕上げています。
◎コリアンダー(コッタマッリ)
◎クミン(スードゥル)
◎フェンネル(マードゥル)
◎セイロンシナモン(クルンドゥ)
以上、4種のみです。
当店のオンラインストアでも取り扱っています。
料理の基礎に欲しい香りを、くっきりと持っています。
(一般的に「カレー粉」で連想されるものとは異なる香りだと思います。)
ベーシックに留めることで、素材の持つ味わいや香りを邪魔せず引き立てます。
さらに、
他のスパイスと組み合わせることで、調理する自由度も高まります。
例えば、
フェヌグリーク(ウルハール)、マスタード(アバ)、クローブ(カラーブ・ナティ)、カルダモン(エナサール)といったホールスパイスを、はっきりと使い分けることで、各料理の風味の方向性に大きな変化をつけることが出来ます!
もちろん、
ホールスパイスも一切使わず、少量のターメリックパウダー(カハクドゥ)とチリパウダー(ミリスクドゥ)、そしてココナッツミルクを合わせて、シンプルに仕上げるカレーも美味しいです。
野菜や豆を素材とするカレーや料理がお勧めです。
『Amu.(アム)』とRUHUNU FOODSのカレーパウダーの見た目の比較。
(以下の記述は、前回の『Kalu.(カルゥ)』の記事と重複する内容が多いです。)
原料となるスパイスはスリランカ産です。
特にコリアンダーとセイロンシナモンは譲れません。
まずはコリアンダー(コッタマッリ)。
写真中心より左側のものがスリランカ産のもの。モロッカン種というそうで、世界的にはこちらの方がポピュラーだそう。
右側がインド産のもの。インディアン種。
よく見ると、
モロッカン種(左)がまんまるの球状なのに対して、インディアン種(右)のものがややフットボール形状をしています。
どちらも、コリアンダーらしい柑橘類っぽい甘酸っぱい良い香りがするのですが、その香りが違う!
なんとも表現が難しく、オレンジとゆずの違いみたいな。余計分かりにくい。
インディアン種のコリアンダーでは、どうしてもスリランカの「トゥナパハ」の香りになってくれません。
『Amu.(アム)』は、もちろんRUHUNU FOODSから輸入したスリランカ産モロッカン種のコリアンダーを使用しています。
そして
セイロンシナモン(クルンドゥ)。
こちらも、
日本でカレーに使われるスパイスとしてのシナモンは「カシア」の方がポピュラーです。(分類上はシナモンではないそうです。)
セイロンシナモンの特徴は、心地良い甘い香りと味わい。刺激はカシアに比べて弱く、良く言えば上品な感じ。僕の大好きなスパイスのひとつです。
今年(2018年)もスリランカでセイロンシナモンを探求。その様子は以下リンクのブログ記事から。
◎クルンドゥ探求その1。シナモン研修所。https://karapincha.jp/blog/?p=5424
◎クルンドゥ探求その2。職人技&大手メーカー。https://karapincha.jp/blog/?p=5455
もちろん、「トゥナパハ」には、この「セイロンシナモン」!
この4種のスパイスを僕たちが考える黄金比で調合し、導入した粉砕機で綺麗なパウダー状に仕上げています。
商品パッケージ全面には、「製造日」を「Mfg. Date」として記しています。
基本的に粉砕した日に袋詰めまでを完了するので、「製造日」=「粉砕日」ということです。
輸入されるトゥナパハは、日本に来るのにどうしても月日が流れてしまいます。
当店で製造する『Amu.(アム)』は、なるべく量を分けて頻度を上げて、製造することで、より新鮮なものをお届けしたいと思っています。
ただ、僕個人の意見ですが、少し月日が経ったものも、それはそれで悪くないです。
新鮮なトゥナパハは、個々のスパイスの主張が素晴らしい。
月日が経ったトゥナパハは、仕上がるカレーの香りと味わいに一定のまとまり、落ち着きが生まれる。
みたいな印象です。
カラピンチャのレストランでは、製造後、最低2週間置いた『Amu.(アム)』を使用して調理しています。
賞味期限は、あえて1年間に。(RUHUNU FOODSのものは2年間)
もちろん品質管理は徹底していますが、
なるべく新鮮な香りを楽しんでもらいたいということ。
カラピンチャのレストランで、1年以上たった自作のトゥナパハを使ったことがないということ。
100gでの少量での販売。それをなるべく頻繁に製造していく予定ということ。
などが理由です。
(当店では飲食業の営業許可とは別に、スパイスの加工、小分け、袋詰め等の作業にあたり、神戸市保健所に届けを出し、検査を受けた施設と設備で、製造を行っています。)
カレーを作る上での注意:
この『Amu.(アム)』も含めて、スリランカのトゥナパハ(カレーパウダー)は、日本国内で広く流通する一般的な「カレー粉」とは異なります。
スパイスはこれだけで、カレーが仕上がるというものではありません。
主に色味に作用するターメリックパウダー(粉末ウコン)や、主に辛みに作用するチリパウダー(粉末赤唐辛子)またはペッパーパウダー(粉末黒胡椒)が最低でも必要です。(量はお好みで。)
各種ホールスパイスも香りに奥行きを付けるために有効です。
是非、カレーパウダー『Amu.(アム)』を活用して、ベーシックなカレー、もしくは個性を発揮したカレー作りに挑戦してみてください!
一見、上級者向けのようなトゥナパハですが、使い出すと、どんどん楽しくなります★
カラピンチャ店舗とオンラインストア「スパイスカラピンチャ」で販売スタート。
どうぞ宜しくお願いします。
<追記>
当店が製造販売する焙煎仕様の「ダークローストカレーパウダーKalu.『カルゥ』」については、以下リンクの記事から。
◎ダークローストカレーパウダー『Kalu.(カルゥ)』発売。