クルンドゥ探求その2。職人技&大手メーカー。

先のブログ記事「シナモン研修所」で紹介したように、スパイスとしてのクルンドゥ(セイロンシナモン)の作り方を学びました。

さらに今回は、それを長年生業としているクルンドゥ農家の方の工房にもお邪魔しました。

その前に、
スパイスとしてのクルンドゥ(セイロンシナモン)はこんなのです。
005cinamonsticksZ「クルンドゥ・ポトゥ」(ポトゥ=樹皮)。
お菓子作り等でも使われる独特の甘味が、カレー作りにも大活躍。

 

ちなみに、なぜこんなにクルンドゥを探求しているかと言うと、
今回、スリランカのシナモン作りを見たいという東京からのスペシャルゲストのリクエストを頂いていたからです。
そのスペシャルゲストがこの二人。
IMG_0867水野仁輔さん & シャンカール・ノグチさん(TEAM AIR SIPICE)。
ようこそスリランカへ。しかも南端の街マータラへ。

お二人には、2016年に「ラピンチャ」と「ロワンカレー」と「ルバート食堂」でチームを組んだ「風だ!」のイベント「南アジアの路地裏で」にもゲスト参加してくれました。
その時の様子は下記のアドレスから、

イベント告知記事
https://karapincha.jp/blog/?p=3761
二人の紹介も少し書いています。

イベント様子の記事
https://karapincha.jp/blog/?p=3821

そんな二人は今回、東京スパイス番長の活動でチェティナード料理を探求、インドを訪れた後に、スリランカに渡ったチェティナード料理を求めてコロンボへ。
そして、今度はシナモンの探求のためにマータラまで足を伸ばしてくれました。

朝6時に向かったのは、クルンドゥ農家ティラカさんの家兼工房。
IMG_2258明け方の田んぼの方から現れたティラカアイヤー。(「アイヤー」という言葉は直訳でお兄さん。年上の人に対して、親しみをこめた敬称としても使います。)
カット後約一日間、田んぼの水辺につけ込んだクルンドゥの木を担いでいます。

IMG_2260井戸で洗浄。
IMG_0907枝の付け根などを切り落とした後、外樹皮の部分を取り除きます。

IMG_2295そして、金属の棒で鞣します。

IMG_2282そして、スパイスとなる内樹皮の部分を剥いていきます。

IMG_2305仕事道具。

基本的には、先のシナモン研修所とほぼ同じ行程なのですが、
手際や仕上がりが素晴らしく、匠の技とはまさにこれという感じ。感動です。

では、
剥いてるシーンをムービーでどうぞ。

手際良く美しい。素晴らしい!!

IMG_2306剥かれた内樹皮の部分「クルンドゥ・ポトゥ」(ポトゥ=樹皮)。
ちなみにスパイスとなるのは、この部分のみ。

これを少し千切って、かじると本当に”美味しい”。
スパイスが”美味しい”っていうのはとても不思議な感覚。良い香りとか良い刺激という表現が一般的ですが、これは本当に”美味しい”!

木の残った中心の部分は薪として販売するそうです。
IMG_2243この薪が温度の高いいい火を作るそうで、未だに薪を使った調理場が多いスリランカでは重宝されいるそう。
ちなみにクルンドゥの葉は、シナモンオイルに使われます。


IMG_2318
直射日光は避けて風通しの良い室内で乾燥中。
約一週間ほどかけて、しっかり乾燥。
その後、大手のシナモンメーカーへ納めるそうです。
ティラカアイヤー。貴重な体験をありがとうございます!

続いて、
ティラカアイヤーの紹介で、そのシナモンメーカーへも行って来ました。
一応、現時点では社名を伏せますが、見学させてもらったファクトリーの一部の様子を写真でどうぞ。
IMG_2376各農家から納められたすごい量のクルンドゥ・ポトゥ。壮観な眺め。
ざっくり価格で計算しても、大変な金額…

IMG_2330IMG_2372
IMG_2364

IMG_2378IMG_23909つのグレードに選別され、用途や販売先のニーズに合わせてカットしパックされて、海外および国内へと。

ちなみにこの日は、インドへ行くという巨大なコンテナ2つにシナモンの詰め込み作業が行われていました。

世界中からのニーズがあるスリランカ産のセイロンシナモン。
スリランカの気候はもちろんですが、技術と、手間隙と、蓄積されたノウハウが、その品質を守っていることを改めて実感しました。
今回も貴重な体験をさせていただき、みなさま本当にありがとうございます。

そして、
水野さん&シャンカールさん。
リクエストいただいたおかげで、僕達もクルンドゥに関する知識が増え、さらなる関心も涌いて来ました。
またお二人とは、マータラの美味しい家庭料理も一緒にたくさん食べました。
きっと満喫してもらえたと思います!
ご一緒できて楽しかったです。感謝★

 

追記:
通販サイト「スパイスカラピンチャ」でスリランカ産「セイロンシナモン」の販売をしています。
18-1cこちらは、スリランカの大手スパイス会社「RUHUNU FOODS」の製品となります。

クルンドゥ探求その1。シナモン研修所。

スリランカ南端マータラの街からすぐのティハゴダにある
「National Cinnamon Research and Training Center」
友人を介して特別に見学させていただきました。
ありがとうございます。

こちらはその名の通り、
国が運営するクルンドゥ(セイロンシナモン)の研究&研修所。

ちなみに2012年にシナモン剥きを体験した時の記事は以下アドレスから、
https://karapincha.jp/blog/?p=1004(クルンドゥおっちゃん)

IMG_2083IMG_2105 IMG_2091
IMG_2207クルンドゥの畑に囲まれています。

IMG_2101ウィジャシンハー所長。

IMG_2106案内してくれたハサン君。実は空手の先生でもあります。
種からの栽培の仕方、収穫の仕方を丁寧に説明してくれました。

IMG_2117シナモンを洗浄する水槽。
スパイスとしてのクルンドゥ(セイロンシナモン)は、
木のた内樹皮の部分「クルンド・ポトゥ」のいです。(ポトゥ=樹皮)

IMG_2122雑味の強い外樹皮は、剥いて取り除きます。

IMG_2125それを金属の棒で鞣して、

IMG_2130内樹皮を剥く作業。職人技。

IMG_2147こんな道具を使います。
真ん中の長い棒は、この長さ(42インチ=約1メートル)に仕上げるガイド。

IMG_2159丁寧に整理。

IMG_2136筒状に奇麗に剥いた皮に細かく剥いたものを詰めて、例のあの形に。

IMG_2149

優しく丸めます。

IMG_2140

乾燥室へ。要風通し、直射日光は避けて。

IMG_2195

これがグレードの選別基準のひとつである太さを計測する器具。

IMG_2160選別表。

IMG_2148最高品質のアルバ。

IMG_2174

そして、丁寧にまとめます。

IMG_2187_2

一丁あがり!
仕上げの美しさも売価に大きく反映されるそう。

IMG_2120生徒の皆様。
10日間泊まりがけでみっちり技術を磨きます。多くの人はクルンドゥ農家の方々。

僕も、
クルンドゥの教科書を購入。
IMG_2191IMG_2192復習せねば。

僕達が普段、調理で使うクルンドゥ・ポトゥ(セイロンシナモンも樹皮)は、本当に手間隙掛けて作られているのがよく分かりました。
またそれを販売している立場としても、グレード等に関する正しい知識を得ることができ、とても勉強になりました。

今回の旅では、さらにクルンドゥ農家の方の工房や、セイロンシナモンメーカーも訪問しました。
その様子は次の記事にて。

 
追記:
通販サイト「スパイスカラピンチャ」でスリランカ産「セイロンシナモン」の販売をしています。
18-1cこちらは、スリランカの大手スパイス会社「RUHUNU FOODS」の製品となります。

 

クルンドゥのおっちゃん(シナモン剥きの名人)。

スリランカカレーで欠かせないスパイスのひとつ「クルンドゥ」=「セイロンシナモン」。

クスノキ科の木で、その樹皮がスパイスとして使われます。
カレーだけでなく、お菓子作りや紅茶、コーヒーに入れたりも。
スリランカ産のクルンドゥ。すごく香り高く、雑じゃない丁寧な味わい。

僕が今いるマータラのあっちこっちにも、クルンドゥワッタ(シナモン畑)があり、ジャヤさんのお父さんのクルンドゥを育てています。


ナイフでバキッと。
すごくいい香り!

それを持って帰り。
皮を剥く!と思いきや。

「クルンドゥのオッチャンとこ持ってけ!」
と言われて、近所のお家を訪問。
<クルンドゥのオッチャンことダハパーラさん。
このクルンドゥ。良く見かけるクルッと巻いたロール形状に剥くのはとても難しいんです。

まず表面の硬い皮をナイフで削ぎ落しー。
出て来た薄皮の部分をナイフの握り手の部分で丁寧に均しー。
そしてその皮をクルッと剥いていくわけですが・・・。
ムービーでどうぞ↓↓↓

ラッサナイ!(キレイ!)
これをしっかり乾燥させれば、スパイスとしてのクルンドゥが仕上がります。

僕もクルンドゥむきに挑戦中。ムズカシタノシー★

自分で剥いたクルンドゥでカレーを作る。
んで食べる。
感激な瞬間。

 

追記:
通販サイト「スパイスカラピンチャ」でスリランカ産「セイロンシナモン」の販売をしています。
18-1cこちらは、スリランカの大手スパイス会社「RUHUNU FOODS」の製品となります。