キャンディー県の山奥にあるダクヌ・バラガハンナ村へ行って来ました。
目的は、キトゥル(孔雀椰子)から採れるパニ(蜜)の原液の採取シーン。
それを元に作る液状のキトゥル・パニ(蜜)、さらにそれを煮詰めて作るキトゥル・ハクル(ジャガリー/粗糖)作りを見学するためです。
アレンジしてくれたのは、日本でのスリランカン友人ブジタ君、そのスリランカの友人サジーワ、そのいとこであるスリンさん、他親戚の皆様。
ありがとうございます!
まず、
キトゥル(孔雀椰子)とはこんな木です。
ポル(ココナッツ)やタンビリ(キングココナッツ)ほどたくさん生えていない、貴重な椰子。
だらんと垂れた花の部分が特徴的。
この椰子の花の部分から採れた液で作った蜜がキトゥル・パニ。
 たいていウイスキーの空き瓶に入って流通します。
たいていウイスキーの空き瓶に入って流通します。
南部では、ミーキリ(水牛のヨーグルト)と合わせて食べるキリパニがポピュラー。
 カラピンチャ店舗でも、食後に普通のヨーグルにかけてお出ししているアレです。
カラピンチャ店舗でも、食後に普通のヨーグルにかけてお出ししているアレです。
他にも、様々なものにかけたり、材料にしたりします。
さらに煮詰めて作るキトゥル・ハクルがこちら。
 いわゆるジャガリー/粗糖です。
いわゆるジャガリー/粗糖です。
お菓子の材料にしたり、紅茶といっしょにそのままかじったり。
 なんとも言えない独特の甘味がたまりません。血糖値の上昇もゆるやかだとか。
なんとも言えない独特の甘味がたまりません。血糖値の上昇もゆるやかだとか。
いずれも、スリランカ内でも決して安くない貴重なものです。
では、キトゥル・パニの原液はどうやって採取するのか。
写真の順に見て行こうと思います。
 黄色いカバーが見えるでしょうか?
黄色いカバーが見えるでしょうか?
あの部分の中にナイフで切られた花の切口があり、そこから出る原液を受け止めるボトルが設置してあります。
ちなみ、そのボトルの下にだらんと垂れる花は、一度切った花を重りとして吊るしている状態です。
カバーを外し、原液がめいっぱい溜まっていればボトルを交換。
そして、
 さらに、
さらに、
研ぎ込んだナイフで花の部分を、数ミリ単位で切り落とします。

 そして、空のボトルを再度設置しカバーをかぶせて木を降ります。
そして、空のボトルを再度設置しカバーをかぶせて木を降ります。
それでは、動画でもどうぞ。
途中バッテリー切れのため、ええとこ撮れてません。
それと、犬のボーレがうるさい。家人がいない時も液を採取するアイヤーを泥棒と思い込んでいるようです。
すいません。
そうやって
採れた原液、තිලිජ්ජ テリッジャ。
 半透明で、味わいは意外とスッキリ。
半透明で、味わいは意外とスッキリ。
これを工房に持ち帰り、
パニとハクルの製造です。
採取したテリッジャ(原液)を火にかけて煮込みます。

 すると間もなく、大量の灰汁が発生。
すると間もなく、大量の灰汁が発生。
それを素早く除去。
 そこそこ強火で煮込んでいくと、キャラメリゼが進みだんだん茶色く。
そこそこ強火で煮込んでいくと、キャラメリゼが進みだんだん茶色く。
 煮立って来たら、火を調整にしながら、しっかり混ぜることで焦げるのを制御。
煮立って来たら、火を調整にしながら、しっかり混ぜることで焦げるのを制御。
ある程度の段階で、液状であるキトゥル・パニは完成。
火から下ろして冷まします。
しかし、キトゥル・ハクルを作るには、ここからさらに煮込みます。 まだまだ。
まだまだ。

かなりの濃度が上がって来ました。
混ぜる感触の重さと鍋はだに残る液で、状態を確認するそう。
 ベストのタイミングで火から下ろします。
ベストのタイミングで火から下ろします。
 その後は、常温でひたすら混ぜながら均一に冷ましていきます。
その後は、常温でひたすら混ぜながら均一に冷ましていきます。
これが、重いのと、時間がかかるのとで、とても大変そう。
 冷めて、ええ具合の固さに落ち着きました。
冷めて、ええ具合の固さに落ち着きました。
これを15分程度置いた後。
 大きいカップに注ぎ。
大きいカップに注ぎ。
これを固まるまで置いたら、殻を外して完成!
 美しい!!
美しい!!
砂糖やココナッツ糖他、添加物は一切使いません。使えばコストも下がり固まるのが早くなり効率化しますが、100%ピュアがこちらのこだわり。
それでは、
一連を動画にまとめて見ました。
最後の殻から外す方法が面白いです。
こうして出来た製品をパッケージング。

こんなタイプも↓
 キトゥル・ハクル・ボーラ。
キトゥル・ハクル・ボーラ。
ココナッツ殻ではなく、手で小さく球状にまるめたもの。
紅茶のお供にばっちり。
純度が高いキトゥル・ハクルは切るときに粉々になりやすいので、このスタイルがGood!
そして、こちらは。
 キトゥル・パニ。
キトゥル・パニ。
左からフルサイズ。ハーフサイズ。クオーターサイズ。
こんなのもあります。
 キトゥル・ピティ。
キトゥル・ピティ。
ピティは粉を意味します。
でも、どうしてこれは色が茶色ではなく、薄いピンク色なのでしょうか?
このピティはテリッジャ(原液)を材料としているのではなく、キトゥルの木の幹から、採れる粉です。
この粉を使ってタラパというゼリー状の素朴な軽食などが作られます。
これが、キトゥル・タラパ↓↓↓
 さらにキトゥル・パニをかけて、スイートに頂きました!
さらにキトゥル・パニをかけて、スイートに頂きました!
(タラパはクラッカン粉を原料にしたものがポピュラー。)
前々からずっと見てみたいと思っていたこのキトゥル・パニの採取と製造工程。
色々調べて分かっていたこともありましたが、やっぱり事実は現場にありました。
しかも極めて伝統的なスタイルのものを体験できたことがさらに嬉しいです。
皆様、本当にありがとうございました!
<番外編/お昼ご飯>
こちらの家でごちそうになったお昼ご飯がとても美味しかったのでご紹介。
 ただでさえ無理を聞いてもらい見学させていただいてるのに、こんな素敵なライス&カリー。
ただでさえ無理を聞いてもらい見学させていただいてるのに、こんな素敵なライス&カリー。
 ジャパンバトゥコラ・マッルン。
ジャパンバトゥコラ・マッルン。
直訳する日本ナスの葉さっと煮。(バトゥ=ナス、コラ=葉)
でも日本のナスとはまったくの別物。
 これが、ジャパンバトゥコラ。
これが、ジャパンバトゥコラ。
食後は、キトゥル・ハクルをふんだんに使ったワタラッパン(プリンのようなお菓子)。
 しっかり甘くて、ライス&カリーの後にバッチリ。
しっかり甘くて、ライス&カリーの後にバッチリ。
キトゥル尽くめの一日は、こちらのパニのように濃厚でした。
感謝★
<追記 2021/10/04>
カラピンチャでは、店舗及びオンラインストアにて「キトゥルパニ」を販売しております。
詳しくは下記アドレスから商品ページご参照ください↓↓↓
◎キトゥルパニ(キトゥルシロップ/スリランカ産)375ml https://spice-karapincha.jp/?pid=163782521
 
								
















