お寺の完成式典。マウントラビニアホテルチームの調理を手伝い。

先のブログで記したように、
パブリスシェフの寄付により作られたお寺「පන්නිල පන්සල​ パンニラ・パンサラ」の完成式典に参加しました。

ラトゥナプラから、さらに内陸の方、急で細い道を山奥へと進んだところにあります。
世界遺産でもあるシンハラージャ森林保護区の近くです。

式典は1月25日。その前夜からお経や説法など法事が行われます。

僕達は前日の夕刻に到着。
早速、パブリスシェフがお寺を案内してくれました。
IMG_5221大きな岩の一部を削ってはめ込まれた本堂

IMG_5226元々そこにあるその大きな岩をそのまま削って作られた 「සැතපෙන පිළිමය サタペナ ピリマヤ(​涅槃仏)」。
近年、石で作られた仏像は珍しく、かなり大きなサイズだとのこと。
(撮影許可をいただきました。)

IMG_6554サタペナ ピリマヤの足の裏。

IMG_6555天井は岩の原型を生かして。

大きな堂ではないですが、
迫力と清々しさを併せ持つ良い空間でした。

IMG_5257法事がスタート。
まずはお寺の麓に作られたパブリスシェフの別宅にて。

 

そして夜になり。IMG_5265本堂そばの特設の会場に人が集まります。
IMG_6565
動画は、

හේවිසි කණ්ඩායම(ヘーウィシ カンダーヤマ)のシーン。
ධාතු කරඩුව(ダートゥ カラドゥワ)という仏陀の歯を祀る置物と、
පුස්කොළ පොත(プスコラ ポタ)というお経の書かれた葉の書物が、
පිරිත් මණ්ඩපය(ピリット マンダパヤ)というココナッツの柔らかい葉ගොක්කොල(ゴッコラ)で出来たお経を読むための小屋に運ばれていきます。

IMG_6574

හාමුදුරුවෝ ハームドゥルオ(お坊さん)達もやってきて、ピリット マンダパヤに。
「පිරිත් ピリット(お経)」が朝まで続きます。

 

ですが、
僕達は近くにあるこちらも特設の厨房へ。

厨房の建物の前には大きなトラックが、
IMG_5393
IMG_5391
これは冷蔵庫。

IMG_5247

用意された大鍋達。これはほんの一部です。

 

厨房の中には、マウントラビニアホテルからバスでやってきた料理人達が。

IMG_5389

そして、
式典主催者として忙しいはずのパブリスシェフも、頻繁にやってきて指導。
僕達にもたくさんのアドバイスをくれました。
昨年の阪急百貨店でのイベントでも感じたことですが、どこまで行っても彼のフィールドは「කුස්සිය クッシヤ(厨房)」なのだと改めて。

IMG_5315「ගොටුකොළ ゴトゥコラ(ツボクサ)」

IMG_5311今回の厨房を取り仕切るガーミニーシェフ。

IMG_5241奥にあるのは、「කොහිල コヒラ」という根菜の一種
繊維質が強く歯応えが良く、風味もGood!

IMG_5342「ඉන්නල インナラ」という小さな芋の一種

IMG_5360綺麗に飾ったサラダ
刺さっている葉は「තෙඹු කොළ​ テンブ コラ」の先の部分。
こちらはハームドゥルオ(お坊さん)用、みんなの分は取分けスタイルで。
IMG_5240「තුඹ කරවිල トゥンバカラウィラ」という丸くて小さいゴーヤをカット。

IMG_5280「බිබික්කන් ビビッカン」、別名 「 පොල් කේක් ポルケーク」
ココナッツを使ったケーキ

IMG_5402「ඉස්සෝ イッソー(エビ)」のカレー

IMG_5345複雑に仕上げていくコヒラのカレー。(コヒラ投入前)

IMG_5406「දෙහි デヒ(スリランカのライム)」絞り。

IMG_5429

「ඒළවළු බත් エラワル バト(野菜の混ぜご飯)」の仕上げ!

IMG_5286ブロッコリーは、

IMG_5321スープに。


IMG_5290
マカロニは、

IMG_5444グラタンに。
さすがにスリランカ料理ではないですが、
マカロニは近年、家庭でも良く使われる食材です。

IMG_5274揚げた「කජු カジュ(カシューナッツ)」には、塩とチリパウダー。

IMG_5411「බිම්මල් ビンマル(きのこ)」のデビル。

IMG_5374

「තුඹ කරවිල トゥンバカラウィラ」(小さくて丸いゴーヤ)。大好き!

IMG_6748驚きの小ちゃい 「අප්ප アーッパ」!!!

IMG_5358

全ての料理にパブリスチェックが入ります。

作業は深夜に2時間ほどの全体休憩を挟んで、そのまま翌日の式典開始まで。

IMG_5233ハームドゥルオ達の食事会場のセッティング。
ちなみにシンハラ語でハームドゥルオがご飯を食べる行為は、
කනවා(カナワー)とは言わず、වළඳනවා(ワランダナワー)と言います。

IMG_5473
IMG_5474
ハームドゥルオ用のデザートプレート。
ラッサナイ!(美しい!)

そして、
朝9時頃に式典がスタート。
IMG_5454良く知りませんが、有名な政治家の方なども多数参加。
テレビや新聞のカメラがたくさん。


IMG_5458
僕も(なぜか)日本からの来賓を代表して、
「පොල්තෙල් පහන ポルテル パハナ」に点火させてもらいました。

IMG_5464
そして順番に本堂へと。

僕達は、
再度食事会場に戻り、最後のセッティングへ。
IMG_5449IMG_5451そして、ハームドゥルオ達が食事会場入り。
IMG_5467IMG_6692配膳

ハームドゥルオのお食事後はお布施。
IMG_6726フロム神戸の3人。
カラピンチャとしても、袈裟や持鉢を含むハームドゥルオ8つ道具「අටපිරිකර アタピリカラ」をお布施させていただきました。

IMG_6738そして、(お待ちかねの)みんなの食事タイム。

ライス&カリーはこんな感じ。
IMG_6706コヒラ。
ウィナーキリ(ココナッツビネガー)とゴラカで酸味を纏わすのがポイント。

IMG_6704ポロスボーラ(若いジャックフルーツで作った団子)
深く焙煎したトゥナパハが印象的。

IMG_6705イッソー(エビ)。
エビをプリプリ感を保つ工夫が。

IMG_6703ビンマル(きのこ)のデビル

IMG_6707

トゥンバカラウイラ。
ココナッツミルクで仕上げ。

IMG_6708インナラ(小さい芋の一種)ホディ(汁)。

IMG_5470「කතුරුමුරුංගා カトゥルムルンガ(葉野菜の一種)マッルン。

他にもゴトゥコラサンボーラ(ツボクサの和物)やマカロニグラタン、パパダン、フライドフィッシュ、カシューナッツ、小さいアーッパなどなど。

ご飯は、
IMG_6711エラワルバトゥ(バスマティ使用)

IMG_6710

カル・ヒーナティという種の伝統的な赤米
IMG_6712バスマティ
一昔前まではあまり流通していなかったバスマティですが、近年はスリランカでも人気です。

この他にお菓子も伝統的なもの、創作的なもの、
果物、ミーキリ(水牛のヨーグルト)などなど。

本当に豪華な内容でした。
それぞれの料理の味付けの方向性が明確で食べ進めるほどに美味しさを感じました。

ところで、
スリランカでダーナ(ヤ)を経験したことがある方は、ちょっと驚きのラインナップだと思われたのではないでしょうか?
僕の経験上、ダーナヤの時は伝統的である程度決まった料理と調理法がほとんどでした。
今回のものはその点では型破りな新しいスタイルのダーナヤでした。

先日、マウントラビニアホテルの厨房を見学した直後なだけに、
さらに刺激的で、学ぶことだらけの2日間でした。
パブリスシェフ、ガーミニーシェフ、他スタッフの皆様、
ありがとうございました!!!

 

帰る前にもう一度、お寺を見学。
IMG_6752
IMG_6755
IMG_5235

最後にフロムジャパンチームとパブリスシェフで。
IMG_6768写真右側お二人は道中で合流したスリランカ案内人「ウッチャン」チーム。
左側後ろには、シェフの娘さん。みんないい顔!

 

昨年の唐突なイベント来日のオファーから、ここまでパブリスシェフとの関係性を築けたことが信じられません。

熱心な信仰心、人を選ばなない大きな心、そして尽きない料理への思い、
どんどんファンになってしまいます。
本当に感謝と尊敬の気持ちでいっぱいです!

ダーナヤをお手伝い。

スリランカでは「ダーナヤ(ダーナ)」という法事のような、お布施のような、仏教の習わしが頻繁にあります。
僕もあちこちの友人宅で何度も目にしています。

お坊さんのために食事を作って提供するいわゆるお布施です。
親戚の女性陣が中心となって、量、種類、ともにたくさん作ります。
「ダーナヤ」の後は、家族みんなで残りの料理を食べます。最初からその分も見越して作ります。(失礼ですが、めっちゃ楽しみ。)

 

今回は、親友ジャヤさんのお姉さんの家で「ダーナヤ」の料理を手伝わせてもらいました。
お姉さんの旦那さんのお母さんが無くなった日の法事として、30名ほどの身寄りのないご老人が過ごす施設への昼食の提供するというものでした。

 

<調理の様子の写真/ランダムで>

リパ

外で調理が基本。
外庭に組まれたリパ(こんろ)。

IMG_1652

たくさんのココナッツを削り、絞りって、ココナッツミルクを用意。

ラトゥキャクル炊くラトゥキャクル(赤米)を炊きます。

ダーナヤワンゲディヤ(臼)で、デル・マッルマの下ごしらえ。

ちなみにデルとは、こんな木の実。
IMG_1624日本語ではパンの実。英語ではBread Fruit。
一瞬、ポロス(若いジャックフルーツ)にも見えますが、よく見ると違います。
もちろん食感や味も異なります。

ポロスについては、下記リンクのブログ記事から、
◎ポロス→コス→ワラカー。2015. (karapincha.jp)

デルこんな感じで仕上がっていきます。
ねっとりホクホクでめっちゃ美味しい。

 

マール鰹のカレー。ホディ(汁)たくさん。

タッカーリサンボーラタッカーリサンボーラ。(トマトと玉ねぎの和え物)
デヒ(スリランカのライム)をたっぷり絞ります。

仲良し猫兄弟仲いい兄弟。

バタラタンバプ・バタラ。
茹でたサツマイモ。スリランカのはそんなに甘くない。

IMG_1659ワタコル(十角ヘチマ)のキラタ。
ココナッツミルクで煮込んで行きます。味が染出て美味しい!!

仲良し猫達やっぱり仲いい兄弟。

アラバドゥマアラ・バドゥマ(ジャガイモの炒め物)作り。

IMG_1708グチュグチュに潰してご飯に混ぜ込んだらなんぼでもいける。

 

IMG_1676

食べなくても分かる絶対に美味しいやつ!
ポロス(ジャックフルーツ)のアッチャール。

IMG_1648パパダン揚げ。

IMG_1762とにかく仲いい兄弟。

ラトゥアララトゥアラ(ビーツ)。
材料を鍋に入れて、ココナッツミルクを加えて煮込んで行きます。

パリップパリップ(レンズ豆)

IMG_1751s完成!!!

調理中に女性達が交わす料理に関する会話が、とても面白くて勉強になりました。みんな本当に料理が大好き!

デザートには、
スリランカのプディングプディング!(と言われてます。)

 

 

これを持ってダーナヤへ。
<ダーナヤの様子の写真>
IMG_1767IMG_1765お年寄りの皆さんがいる施設に到着。

 

台所へ入り、セッティング。
まず最初は、

ブッダプージャーワブッダプージャーワ。

仏様へのお供えです。

IMG_1807
家族みんなで小一時間、床に座って、手を合わせて、お経を読みます。
スリランカのお経は、古代語であるパーリ語。このお経、意味はほとんど分かりませんが、綺麗で、心地よくて、清々しくて、いっつも眠くなってしまうw
「ブッダン サラナン ガッチャーミー」と「サードゥ サードゥ サードゥ」のとこだけは僕も唱えます。要勉強。

 

そして、

ダーナヤそして、「ダーナヤ」の盛り付け。
ヴェジタリアンの方もいらっしゃるので、各個のお皿に合わせて。

足の不自由なお年寄りには、部屋まで食事を運びます。

IMG_1839
IMG_1830 IMG_1832
しっかり歩く皆さんは食堂で。ダーナヤ好みを聞きながら配膳。

皆さん美味しそうに食べてました!

この施設へのダーナヤは、毎日どこかの家族が来て行われるようです。
法事を兼ねたドネーション活動をみんなが進んで行って、社会を支えていることに感動です。

そして、
帰宅後は(お待ちかねの)、イタダキマス!
ダーナヤのご飯
IMG_1855s手間を惜しまず、丁寧に作られた家庭の料理のデラックス版。
めちゃめちゃ美味しくて、3回転。

プディング甘々のプディングも、この暑いスリランカにいるとイケルんです。

ご家族の皆様。貴重な体験をさせていただき、ありがとうございます!!
料理はもちろんですが、他にも学ぶことたくさんです。
仲良し猫兄弟

ウェサック。2017.

毎年5月の満月の日。
スリランカでは仏陀の生誕、悟り、涅槃を祝う「ウェサック」のお祭りが国を挙げて盛大に行われます。
スリランカの仏教徒にとって本当に大切な日。

また毎年、関西在住のスリランカ人、親類、知人などのために、スリランカからハームドゥルオ(お坊さん)がこられて、少し遅れてのウェサック祭が行われます。

今年は、6月18日。
例年通り、東大阪の長尾山信貞寺でウェサックが行われました。
こちらでの開催は、今年で20年目!
僕たちにとっては4年目。
今年も料理を持って行ってきました。

ウェサックお寺の外側には、国旗や仏旗。

ウェサック信貞寺の入り口。

FullSizeRender準備中。

ウェサックが始まり、まずは。
説法説法とお経。
シンハラ語の後に日本語でも説明があります。

そして。

ダンサラダーナの時間。
奥から、信貞寺の徳永住職、ニャーランガ・ハームドゥルオ(日本在住)、ダンミカ・ハームドゥルオ(スリランカから)、加えて3名の若いハームドゥルオ。

IMG_8497
IMG_8500ハームドゥルオの皆様に食べていただいた後は、

IMG_8503みんなでダンサラ。
ダンサラ写真以外にも、本当にたくさんの料理がありました。

ダンサラ

ピリットヌーラ食後の説法の後は、みんなの腕に、ピリットヌーラをまいていただきます。
(ピリット=お経、ヌーラ=紐)
今年も、心洗われる素敵な一日でした。
ありがとうございます★