ポロス→コス→ワラカー

スリランカのカレーの中で、とってもスリランカらしくて、めちゃめちゃ美味しいのが「ジャックフルーツ」のカレーです!和名:波羅蜜(パラミツ)
木の実です。

一言にジャックフルーツといっても、スリランカでは成長過程に合わせて、3つの呼び名があります。
若い頃は「ポロス」、でっかく成長すると「コス」、それが熟れると「ワラカー」です。
Like a 出世魚。
それぞれ、実の中身、味も異って、楽しいです。

では、写真で見ていきましょう。

スリランカの多くのところで自生してるジャックフルーツの木。

この木にはこんな実が、

若くて、小さいうちは「ポロス」。
小さいといっても、20cmくらいはあります。
「ポロス」がどんどん成長すると、
ドーン!

大きさが分かりにくいので、
おねえさんがカットしているシーンを、
ドーン!


大きいものは、70?80cmくらいになります。
こうなると呼び名が変わって「コス」!
このコスを 取って来たときの映像はこちら↓

かなり高い木に、ひょいひょいと登っていく。カッコイイ。

若いころのジャックフルーツ「ポロス」をカットすると、

弾力があり、まるでお肉のよう。
調理方法もバダプ・トゥナパハ(ローストカレーパウダー)を使って、お肉のように調理します。
できたポロスのカレーは↓

お肉のような食感で程よい酸味もあって、めちゃめちゃうまいです!!大好き!!

いっぽう
でっかく成長した「コス」をカットすると、

ホストファミリーのターッタ(お父ちゃん)の力強い手。
実からは凄い粘液。
水洗いして、さらに解体。

さらにさらに解体。


アンマー(お母ちゃん)が上向きの包丁で、コスの実とコスの種(コスアタ)に分解。
コスアタの写真↓

そして、コスのカレー「キリコス」作りました!

3年前の僕。若い。。。
別のキリコス(コスのカレー)の写真↓ ティッサ食堂厨房にて

野菜の調理法でココナッツミルクをたっぷり使います。独特のとろみ&ねばりがたまりません。
コスアタ(コスの種)はコスと一緒に調理したり、コスアタだけのカレーにもなります。
コスアタカルポル↓

じっくり煮込んで、汁気をとばして、ホクホクヤミツキ。

それで、コスが熟すと、「ワラカー」。

こちらはフルーツ的にそのまま食べます。甘さがぎゅっと詰ってて止まりません。

【番外編】で、ポロスに良く似た木の実の「デル」(パンの実)

良く似てますが、別の植物。
このカレーも、

うまい。。。

 

話をジャックフルーツに戻して。
もし、スリランカへ行くなら、このジャックフルーツのカレー「ポロス」と「コス」を是非、食べてみて下さい。
感動間違いなしです!

カラピンチャ。
ここ日本では木の実そのものを手に入れるのは難しのですが、中々良い味と食感を持つ缶詰のジャックフルーツをみつけまして、それを使った「ポロスのカレー」を時々、提供しております。

機会があれば、是非、食べてみて下さい★

観光。シーギリヤロック。

今回のスリランカ滞在では、観光も楽しみのひとつ。色んな街を訪れています!
ちょっと一部をご紹介。

滞在していたキャーガッラから北西へ。
移動手段は 便利でチープな「バス」。

キャンディのバスターミナル


バスの中には色んなものを色んなおっちゃんが売りに来ます。そこで長旅の食料調達。
手前から時計回りに。パッリプワデー(レンズ豆他を挽いてあげたもの)、マールロールス(魚やジャガイモの具を生地で包んであげたもの)、イッソーワデー(挽いたウルンドゥ豆他とエビをあげたもの)。揚げたウィヤリミリス(鷹の爪)をちょっとずつかじりながら頂きます。

そして、
世界遺産でもあるシーギリヤロックへ。9年ぶりの再訪です。


5世紀頃、エキセントリックなキング・カーシャパがこの絶壁の岩の上に宮殿を建てました。でもわずか十数年で滅んでしまったそうです。。。


現代になってから、つけられた足場や階段を登って、頂上にアクセスすることができますが、高いのダメな人はけっこう怖いはず。

登る途中に残っている壁画「シーギリヤレディ」。


頂上!
どうやって建材を運びあげたんだろう?

頂上からの景色。ナイス。

カーシャパ王?

行きも帰りも犬いっぱい。

猿もおる。


スリランカには世界遺産が8つ!
他にも素敵な場所がいっぱいあります。
それから、壮大な自然。不思議な文化。おもろい人々。
んでから、やっぱり美味しい食事!

何回行っても飽きません。
是非、皆様も。

沖縄&スリランカ。似てる。お菓子編。

沖縄にいると頻繁にスリランカとの似ている点に気づきます。

どっちも、南の島国で、野菜や果物が似てくるのや魚の種類が良く似ているのは納得。
それから、
どちらも獅子(沖縄:シーサー、スリランカ:シンハラ)を象徴として扱います。

他にも、僕の”エコヒイキ的”視点には、たくさんの類似点が映ります。
そのひとつ。お菓子。

これは
沖縄の「砂糖天ぷら」(サーターアンダギー)。

ご存知。黒糖を使った揚げ菓子です。

こっちが
スリランカの「キャウン」

キトゥルパニ(木の花の蜜)を使った揚げ菓子。
お祝い事やお土産に持たすという登場のタイミングも似てる。

 

これは
沖縄の「ムーチー」

お米と紅芋と黒糖のお餅。
月桃の葉で包んで蒸します。

こっちは
スリランカの「ハラパ」

お米とクラッカン(和名:四国稗)という穀物、ココナッツ、蜜などを使ったお餅。
ケンダという葉で包んで蒸します。

 

そしてこれが
沖縄の「ポーポー」(「ちんびん」or「ちんぴん」とも言われてたり)
黒糖を使うので色はやや黒いです。生姜入りのが美味しー。
具なしのものと具ありのものがあります。

こっちは
スリランカの「パンケーク」

カハ(ターメリック/うこん)が入るのでやや黄色い。
中にはココナッツと蜜の甘い具が入ってます。

 

このようなお菓子は、
沖縄とスリランカだけじゃなく、色んな国や地域にあるんだと思うのですが、
沖縄とスリランカ、なんか近い気がする。
面白い。

そして、
どれも天然な甘さで美味しい。

南の島の自然なお菓子。

My アーッパターッチ。

僕のスリランカ滞在も残り2日。

再び、キャーガッラ・ティッサ食堂に戻っての仕事の日々。
厨房のみんなも僕にいろんな仕事をさせてくれます。感謝。

カレー作りが最高に面白いのは間違いないのですが、
僕の好きな仕事のひとつにアーッパ作りがあります。

アーッパとは
米粉とココナッツミルクでつくられた汁を小さな底が丸い鍋に延ばして焼いたシンプルで美味しい料理。
ルヌミリスやシーニサンボールといった薬味と一緒に頂きます。
夕食前に食べたり、アーッパだけを楽しんだり。

アーッパを作るには、
アーッパのもとになる汁「アーッパピティ」が必要です。

まず、
ポルキリ(ココナッツミルク)を用意するために、
ポル(ココナッツ)を割って、専用の機械で削ります。毎日アーッパ分としてはポル10個程。
そして、削ったポルの実と水を混ぜて、絞る絞る絞る。一番絞り→二番絞り→三番絞り

そして、そのポルキリ(ココナッツミルク)と
大量のハールピティ(米粉)、砂糖、塩などを最適な分量でよく混ぜて、

時間をかけて発酵させると、アーッパピティ(アーッパのもとになる汁)の出来上がり。

そのアーッパピティを小さな鍋で半球状に焼き上げることで、
アーッパが出来上がります。

食堂の若頭スーギリによるアーッパ焼きの動画をどうぞ。

※卵が入ったのはビッタラアーッパ。美味しい。(ビッタラ=卵)

このアーッパ焼き。
夜の営業時間は常にたくさんの注文が入るので、一度焼きはじめるとずーっとこの作業の繰り返し。
楽しい。

アーッパ焼きに欠かせないアーッパターッチ(ターッチ=鍋)。

写真はティッサ食堂で3年間使っているアーッパターッチ。
実は、普通の小さなターチ(鍋)を改造したカスタムメイド。
2本の棒で取っ手の部分を掴んで調理します↓

下の写真のような持ち手が付いた専用のアーッパターチもあります。

他にも、最近では簡単にアーッパがはがれるテフロン加工のものがあったり。

僕は、日本でもアーッパを作るためにアーッパターチを買って帰ることにします!
持って帰るのは、やはり普段から使い慣れているティッサ食堂同様に小さなターッチを改造したもの。

鍋の方向をくるくる簡単に変えることができるので、全体を均一に焼くことができます。
しかも、カッコイイ★

ということでまず、ターッチを購入。8つ!


でも、このままだと普通のターッチ(鍋)。
アーッパを作るには、ここから改造が必要です。
ってことで、まず
片方の取っ手をバキッ!
そして、もう片方もバキッ!
もともと付いてる取っては強度が弱く、取っ手の角度もいまいちなんです。
それから、
取っ手を外した8つのターッチを、仕事の休憩時間を利用して、近所の小さな鉄工所へ持ち込みます。


別で購入した「細くて長くて丈夫な棒」も持ち込んで。

その棒を切って、新しい取っ手を作って、ターッチに取り付けます↓

新たな取っ手をアーッパ作りに耐えれるように、溶接で固定↓


やったー。
でも、これだけでは、アーッパターッチは未完成。
真新しいしいアーッパターッチでは、アーッパがなかなか上手に焼けません。

奇麗にはがれなかったり、、火の通りが強すぎたり苦戦。
使い込んだターッチほど、使い易いわけなんですね。
そー言えば、たこ焼きの鉄板もそうですね。
もっと言えば、車のエンジンだって慣らし運転が必要です。
という訳で、
ワガママを聞いてもらい、僕が働く食堂で、日本に持ち帰るアーッパターッチの慣らし運転をさせてもらっています。感謝。

右のが僕のアーッパターチ。左がお店の。

なにせ、4つのコンロをフル回転っせて、一晩で700枚程のアーッパを作るお店。
きっちり使えるアーッパターッチに仕上がるはず。

このアーッパターッチを使って、日本で美味しいアーッパを作りたいな。

 

<追記/2021.04.27>
カラピンチャでは、アーッパを焼くための鍋「アーッパターッチ(Hopper Pan)」を販売しています。スリランカ製。
アーッパターチこのブログ記事で紹介したカスタムメイドのものではなく、アーッパを焼くために製造された専用鍋です。
以下、オンラインストアの商品ページから、詳細をご確認いただけます。
◎アーッパターッチ(Hopper Pan)https://spice-karapincha.jp/?pid=150400395


下記のバナーからオンラインストア(トップページ)にもアクセスできます。

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カラワラとウンバラカダ作り。(干し魚と鰹節)

僕は今、南端の街マータラを再訪しています。
その理由のひとつがカラワラとウンバラカダを作るところを見てみたいから。

「カラワラ」とは干し魚の総称で、
「ウンバラカダ」とは鰹節(スリランカ版)です。

スリランカは日本と同じく海に囲まれた島国。
魚。たくさん獲れます。食べます。
そして昔から、保存が利いて味の濃縮された干し魚が、海岸沿い、内陸地を問わず広く愛されています。スリランカのいたるとこにある「カラワラ」のお店。
すごくたくさんの種類があります。


この小魚は「ハールマッソー」。頻繁に食卓に登場します。


「ケラワッラ」。こまかく切って炒め物に。


「クーニッソー」桜えびのような小エビ。


「ダッロー」(イカ)じゃなくて、「 ブゥワッラー」(タコ)らしいです。

他にもたくさん。種類も干し具合も様々。
日本の干し魚のように焼いてそのままという食べ方ではなく、野菜の炒め物に入れたり、魚の風味を油に移して、炒め物の旨味をアップさせるような感じ(かな)。

ケラワッラとリース(ネギ)の炒め物。


素揚げしたハールマッソー(小魚)が入ったワンバトゥモージュ(ナス)のカレー。

調理方法もまだまだいっぱい。

 

それから、「ウンバラカダ」!
スリランカの鰹節。

すごーく固くてカチカチです。

細かく切ったり、潰して。
カレーに加えたり、和え物(サンボーラ)の味付けしたり、油に風味をプラスしたり。すごくいい仕事します。
ウンバラカダ入りポルサンボーラ。LOVE。

パリップ(レンズ豆)のカレーの仕上げにも、油&ウンバラカダ他でテンパリング。

他にも色んな料理にフィットします。

 

そんな素敵な「カラワラ」&「ウンバラカダ」を製造するところに行ってきました。

まずは「カラワラ」(干し魚)。
今日はケラワッラという魚が干されていました。


作り方は、水揚げされたケラワッラを開いて一晩塩漬けに。

↑写真は塩漬けの様子。下に溜まる液体は魚の血。
塩水でしっかり洗ってから、スリランカの強烈な日光にさらします。
上の写真は干して2日目。計3日間干すそうです。

そして、面白いのは「ウンバラカダ」作り。
ティディー社長自ら出演のムービーで↓

※タバコとツバメのタトゥーがクール。

新鮮なバラヤ(たぶん鰹)の頭を取って、切れ目を入れて、塩とゴラカの入ったお湯で湯がきます。それを手で4つに分けて、天日干し。
晴天の時に約6日間干すそうです。


奥が今日干したとこ。手前は2日目。

奥が3日目。手前が4日目。
触ると分かる。日に日にカチカチ。

こうして、港街で作られたカラワラ&ウンバカラダは、スリランカの各地へ運ばれていきます。
カラワラ作りの皆様。色々勉強になりました。ありがとございます!

 

【追記】
カラピンチャでは、ウンバラカダ(モルディブフィッシュ)の販売を行っています。
荒く砕いた「モルディブフィッシュ・チップス」と、さらに細かく砕いた「モルディブフィッシュ・パウダー」を用意しています。

◎モルディブフィッシュ(チップス)100g
◎モルディブフィッシュパウダー 100g

神戸・王子公園の店舗とオンラインストア「スパイスカラピンチャ」で取り扱っております。
スパイスカラピンチャ
どうぞ宜しくお願いします。